高齢者と心療内科

「認知症治療薬」

 アルツハイマー型の認知症に対しては、ドネペジル、レミニール(ガランタミン)、リバスタッチ、イクセロン(リバスチグミン)、メマリー(メマンチン)の4種類があります。いずれも「認知症進行抑制剤」と位置付けられており、認知症を治癒させるまでの効果はありません。認知症には他にも脳血管性などもあり、診断によって他の薬も選択されます。認知症では、記憶障害だけではなく、さまざまな問題行動について治療が必要となりますが、上記の薬物を使用することによってこれらの問題行動を軽減する可能性も示唆されています。詳しくは医師にご相談ください。


「高齢者のうつ病」

 年をとると不安になりやすく、また孤独感・孤立感も強くなり「うつ状態」におちいりやすくなります。身体機能も低下してきぱきと動けない、足腰が痛む、視力や聴力も悪くなるため、心理的に抑うつ気分が出現しやすくなってきます。
 軽度の認知症や甲状腺機能の低下を合併することもあります。


「認知症における問題行動」

 認知症では記憶の障害だけではなく、幻覚・妄想・不眠・いらいら・興奮など、さまざまな問題が出現してきます。これらは脳の変化によって生じる場合と、環境変化やストレスなどから生じる場合、あるいはその両方が関係する場合があります。
 このような症状が出現すると、家庭や施設での共同生活が困難となり、また本人自身も体力が消耗し、家族やスタッフも多大の時間と労力を費やすことになり、介護困難に陥ります。
 適切な環境調整の他、精神安定剤や睡眠誘導剤を投与して症状の軽減を図ることが必要です。


「軽度認知障害」

 認知症が進行してからでは、対応が遅れる場合があります。最近では、軽度の認知症の時点で対策を立てる(診断・治療・介護・生活指導)ことがすすめられています。認知症を治してしまうことは出来ませんが、生活面での対策や問題行動への対策を心構しておくことによって、慌てずに対応することが可能となることが多いようです。
 記憶力低下の自覚、あるいは家族が気付く場合で、今の所日常生活上は問題がないという場合が「軽度認知障害」と言われています。


当クリニックでは高齢者の精神医学的問題について対応しています。

 加齢とともに、身体疾患が増えるとともに精神的にも気力の低下・意欲の低下・ストレスに対する抵抗力の低下などが出現してきます。このため、「不眠症」や「うつ病」・「不安障害」などが見られるようになります。若い人の場合とは違った薬剤使用法や、心理療法・生活指導が必要となり、家族の方々の対応にも助言が必要です。
 また脳の機能低下に伴って「物忘れ」が出てくるようになります。記憶力の検査やCT・MRIなどの画像診断によって診断を行います。「認知症」については、アルツハイマー型やレビー小体型などの診断分類にしたがって薬物の種類が選択され、生活指導も大切となります。
 介護保険や生活支援の利用なども重要となり、いろいろな機関・職種との連携・連絡も行っていかなければなりません。